【解答】
とおく.半角公式から,
である.第一項はに依存しない定数で,
である.次に第二項は以下のようにでに収束することを示せる.
部分積分法から,
ここで(式6)において,区間内で およびだから,
となる.挟み撃ちの定理から極限値は
となり,したがって(式2),(式4),(式9)から求めるの極限値は
を得る.(答)
【解説】
典型的な積分値の極限の問題.鍵となるのはと三角関数の中に入ったをどのように評価するか.のときには激しく振動するが,うまいこと収束する部分を取り出して計算を進める必要がある.解答ではを半角公式で展開した.をを積分から取り出すてっとり早い方法は部分積分なので覚えておきたい.のほうがに収束することがかなりゆるい不等式評価でわかり,かなり簡単に答えが求まる問題となっている.
さて,別解としてもうひとつ頻出の方法があるので紹介したい.それは積分区間を三角関数の関数の半周期で区切る方法である.すなわち
とおく.ただしである.このようにおくメリットは三角関数の周期性を利用した変形が行えることと,(今回はなので関係ないが)この積分区間内で三角関数の符号が一定であるため評価しやすい点である.
この積分区間 で の max min を与える を各々 とする.
今回はは単調減少なのでなのでわざわざ置く必要もないが,一般性を保って議論を進めよう.
からこの区間では
であり,両辺積分して
を得る.両辺の積分は簡単に評価できて
だから (式13) に代入して
だから,もとのを求めるために について和をとって,
を得る.両辺のでの極限値は,区分求積法によって求まる.
この時のポイントは,区間の幅がでに収束するから,
もも区分求積の時の変数と同一視できることである.
したがって,(式18)および挟み撃ちの定理から,
となる.
この方法は汎用的にいろいろな問題に使える.また,この解法だと,問題の本質がわかりやすい.結局のところ,因子をかけて積分すると,もとの関数の積分を半分にする効果がある,ということだ.もとの解答ではこのの因子が半角公式によって出てきていたことがわかるだろう.