【解答】
個のものを数字のからであらわし,一つの並べ方を桁の整数で表す.
場所をこの整数の桁目に対応させる.
わかりやすさのため桁目の数字をとする.
よって一つの並べ方はとなる.
最初の並べ方は場所に整数が置いてあるパターンとする.
例えば,のとき,最初の並べ方はであるとする.
(1)
の時,つのものをの整数であらわして,全ての並べ方をリストアップすると
表 1: の時の並べ方の一覧
の通りだから,である.(答)
(2)
とする.
対称性からとなる並べ方は等しいので,以下として考える.
にを題意を満たすように並べれば良い.
\underline{\textbf{ の時.}}
にを題意をみたすように並べれば良く,通りある.
\underline{\textbf{ の時.}}
はからのどこへでも配置できる.
をで置き換えれば,をからのどこかに配置することになり,はには置けないから,
これは要するにをに条件を満たして配置することと同じである.
従って場合の数は通りである.
以上で全ての場合が尽くされているから,求める場合の数はを動かして倍した
である.よって題意は示された.(答)
【解説】
場合の数の問題で,ものを並べていくという意味では1991年の第一問の類題と言えるだろう.
(1)は書き下せば良く,(2)は個目(または個目)を固定して考えればそこまで難しくはないだろう.
(1)の検算として,の時のを計算して(2)の漸化式に代入することが挙げられる.
まず,の時はの一通りだから
である.
の時は実際に書き下すと,
表 2: の時の並べ方の一覧
のふた通りで
である.
よって,(2)の漸化式でとすると
となって(1)の結果と合致しているので検算できた.
さてここからが本題である.
この問題で扱った「n個の要素の順列で,どの要素も元の位置にない順列」のことを,完全順列と呼ぶ.
今回の問題ではから定義されていたが,もちろんの時はである.
さて,漸化式から一般項を求める.この漸化式は以下のように変形できる.
従って漸化式を繰り返し用いてを用いると
である.次にこの式の辺々をで割って
だから,漸化式を繰り返し用いての時
だから第二項はであり
となる.右辺がのとき, の時を与えることを用いて,和の範囲をからに変更できる.
これが一般項である.
標準的にはの時にもとして拡張する.
大学に入ってテイラー展開を習うと,この一般項は以下の指数関数のテイラー展開に酷似している.
実際ここにを代入するとに一致するので,での極限は
となる.
は制約なく個のものを並べた時の場合の数だから,全体の場合の数のうち完全順列の場合の数がであることがわかる.