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東京工業大学 後期 1995年 解答解説 このページの閲覧数
#平面図形
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東京工業大学 後期 1995年 第2問 (解答解説)

📝 問題

楕円 () が与えられている.

  1. の外部の点 から への 接線が直交するように を動かす. の軌跡を求めよ.

  2. を (1) で求めた の軌跡とする. と で囲まれた部分を直線 を軸として,回転してできる回転体の体積を求めよ.

✏️ 解答解説

【解答】

楕円と点は図1のように与えられる.

楕円とPの概形

図 1: 楕円とPの概形

$X=\pm a$の時

図 2: の時

がに等しいか否かで場合分けして考える.

\underline{の時}

接線のうち一本が軸並行となるため,もう一本の接線は軸並行である必要がある. このような条件を満たすのは(複号同順)である.この時図2のようになる.

\underline{の時}

接線が軸平行でないので接線を実数を用いて

と表すことが出来る.題意よりこれら二つの接線が直交する,すなわち

となる条件をもとめる.ここで新しい座標系を

によって定め,新しい座標系での図形に「」をつけて表す.この時

とかけ,は円となる.が接するので,との中心の距離が1である. 点と直線の距離の公式から

両辺正だから2乗して

(式9)がで成立するので,はの2次方程式

の2つの解 (から2次係数はでない)である.判別式として

とかけるが,点は常に楕円の外側にあるので,これは正である. 従って二次方程式(式10)はたしかに異なる2つの実解を持つ. この時,接線の傾きの積がになる条件((式2))は

と書ける.

以上二つの場合分けで全ての場合が尽くされた. の時の条件も(式14)で表されることがわかる. また,(式14)の軌跡は楕円の外側にある. 以上のことから,求める軌跡は

という半径の円になる.(答)

(2)

回転させる部分の概形

図 3: 回転させる部分の概形

回転した図形の$y=k\, (1\le k)$での切断面

図 4: 回転した図形のでの切断面

回転した図形の$y=k\, (0 \le k \le 1)$での切断面

図 5: 回転した図形のでの切断面

,,および直線の関係は(式10)のようになる. 従って,求めるべき体積は,内部を周りに回転させた体積から,内部を周りに回転させた体積を減じたものである.

そこで以下右辺を別々に求める., のうちの部分を, の部分をと書くことにすると,

だから,対称性よりのみ考えて

となる.ただし最後の行に(式17)を用いた.同様に

となる.ただし最後の行に(式18)を用いた. (式21),(式24)の積分部分は,各々半径,の四分円の面積に等しいから

となり,(式21),(式24)に代入すると

となり,求めるべき体積は(式16)に代入して

である.(答)

【解説】

楕円の性質について問う図形の問題.(1)がもとまれば(2)はほぼボーナス問題である. (1)の性質自体は楕円の性質としてある程度知られたものであり,求めた軌跡は楕円の準円と呼ばれる. この問題はいくつかの方針で答えを求めることができる.

まず細かいところだが,本解答中で二次方程式(式9)を出すところでは,座標変換と点と直線の距離公式を用いたが,そのまま接線が楕円と接する条件として 楕円の式に接線の式を代入した

が重解を持つとしても良い.式を整理すると

となり,この判別式が満たされれば良いから

を得る.これは(式9)と同じだから,以下同様に解くことができる. 計算量的には点と直線の距離を用いた方が楽ではあるがやり方としてはこちらの方が標準的と思われる.

さて,もっと別の手段として接線の方程式を異なる方法で置くこともできる. 上の解答では点を通るとして立式してから楕円と接する条件を求めに行ったが, 別の方法としては先に楕円の接線をおいて,それが点をとおるように条件を定めることもできる. 以下ではこの方法も紹介しよう.

まず前提として,楕円

上の点における接線は,

で与えられる.これは円の場合の自然な拡張になっている.

楕円上の点における接線の方程式は

と表せる.点から引いた2本の接線がで与えられるとする.

これら2本の直線が直交するので,

また,これら2本の直線が点を通るので

このような条件を満たすが存在する点の条件を考えれば良い. 二つ目の式から

だから,一つ目の式に代入すると

同様に,にも代入して

これがに実数解を持つことが必要.これは少し計算は面倒なのだが,以下のように示される. まず,判別式は点が楕円の外側にあるから常に以上であり,実数解を持つことがわかる. この解がにあることを示すには,解の公式から

と書けることを利用して

を得る.

その上で,解と係数の関係から

だから,これを代入して

となる.の方は排除できるから,が求める軌跡である. 以上からわかるように,こちらの方法だとかなり計算が煩雑になってしまう. 問題によってどういう手段を取るかで計算量が変わるのはよくあることなので,時間の限られる受験では本格的に解き始める前に少し見通しをたてられると良い.

(2)の体積を求める問題については,答案のように軸方向に積分しても,いわゆるバームクーヘン公式

を利用して軸方向に積分しても,どちらでも計算の手間はそこまで変わらない.

図形を$y$軸の周りに回転させる様子.

図 6: 図形を軸の周りに回転させる様子.

さて,この問題はパップスギュルタンの定理で検算が効くので確認しよう. パップスギュルタンの定理とは面積がである平面図形を直線 の回りに回転させてできる回転体の体積は,

重心の移動距離

と書けるというもの.ただしはとの重心の距離であり, また,制約としてを回転させる過程で自身とは重ならないとする.

定理の証明自体は簡単で,いわゆるバームクーヘン積分の公式の簡単な言い換えに過ぎないため, 答案中で証明して利用しても問題ないだろう. 参考のために証明を示す.

グラフを回転させた体積は,バームクーヘン積分の公式より

である.ここで,重心の定義は

である.ここで

は図形の面積である.これらを代入して

だから定理は示された.

今回の場合,回転させる図形の重心は原点であり,これと直線の距離はである. 回転させる図形の面積は円の面積から楕円の面積を引いたもので

である.従って,求める体積は

となり,同じ回答を得た.

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