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行列の対角化の基礎

与えられた$n\times n$次元の正方行列 $A$ に対して,正則行列 $P$ をうまく取ってきて $E=P^{-1}AP$を対角行列にする操作を対角化という.より具体的には$A$の$n$本の固有ベクトル$x_1,x_2,\cdots,x_n$が線型独立なら,$A$は対角化可能である.対応する固有値を$\lambda_1,\lambda_2,\cdots,\lambda_n$とする.この時対角化のための行列$P$としてはこれら$n$個のベクトルを並べた$P=(x_1,x_2,\cdots,x_n)$ とすると,対角化後の行列$E$は $E=diag(\lambda_1,\lambda_2,\cdots,\lambda_n)$ となる.

\[P = \left( \begin{array}{cccc} \lambda_1 & 0 & & 0 \\ 0 & \lambda_2 & \ldots & 0 \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ 0 & 0 & \ldots & \lambda_n \end{array} \right) = P^{-1}AP\]

$P=(x_1,x_2,\cdots,x_n)$となることの証明

固有値と固有ベクトルの性質から $A x_i = \lambda_i x_i$ となることを使うと

\[AP = EP\]

となる.ここで$P$をなす固有ベクトルたちは違いに直交だから$P^{-1}$が存在し,

\[P^{-1}AP = P^{-1}PE = E\]

となる.従って示された.